少年が住んでいました。
弱虫な少年は、自分の声に自信が持てず
人前で歌うことができません。
少年のために作ります。
コトバとメロディーを 教えるだけで、ほら。
思い通りに歌う魔法のロボット。
目を丸くした少年は おそるおそる、ボタンを押しました。
夜空に響いたその声は
確かに少年の心に届いていました。
届いていました。
ロボットのために作ります。
コトバとメロディーを教える度に、ほら。
幸せそうに歌う魔法のロボット。
目を光らせた少年は おそるおそる、ボタンを押しました。
世界中に響いたその声は
確かに人々の心に届いていました。
届いていました。
少年も大人になりました。
あの時、教えてくれた歌。
ワタシは今でも覚えているから。
夜空に響いたこの声は
今でもキミのその心に届いていますか?
届いていますか?